特許のプレスリリースとは何か?
― 知的財産を「眠らせない」ための情報発信戦略 ―
「特許を取得しました」という情報は、本当に世の中に届いているでしょうか。
多くの企業・大学・研究機関では、せっかく取得した特許が社内資料の中だけで完結し、外部に価値が伝わらないままになっているのが現実です。
そこで近年、注目されているのが 「特許のプレスリリース」 という考え方です。
本記事では、特許プレスリリースの意味・目的・効果に加え、実際にどのようなサイトで発信されているのかまで含めて詳しく解説します。
特許のプレスリリースとは?
特許のプレスリリースとは、
「特許を取得した事実」そのものではなく、その特許が持つ価値・可能性・活用シナリオを社会に向けて発信する情報発信です。
単なる「特許登録のお知らせ」ではなく、
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どんな課題を解決する特許なのか
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どの業界・分野で活用できるのか
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どのような事業化・ライセンスの可能性があるのか
といった点を、ビジネスの言葉に翻訳して伝えることが大きな特徴です。
なぜ特許をプレスリリースする意味があるのか
特許は「取っただけ」では価値にならない
特許は、取得した瞬間に自動的に収益を生むものではありません。
価値が生まれるのは、
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自社事業で活用されたとき
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他社にライセンスされたとき
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投資・提携・M&Aの判断材料になったとき
です。
つまり、特許は「使われて初めて資産になる」知的財産なのです。
特許プレスリリースがもたらす主な効果
特許をプレスリリースとして発信することで、以下のような効果が期待できます。
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ライセンス・共同開発のきっかけになる
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投資家・金融機関への技術力アピールにつながる
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採用・企業ブランディングに寄与する
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特許が埋もれ、年金切れで放棄されることを防ぐ
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社内での知財活用意識が高まる
特許プレスリリースは、
特許に「使われる可能性」を与える行為とも言えます。
主な特許プレスリリース掲載・配信サイト
特許プレスリリースは、以下のようなサイト・メディアを通じて発信・拡散されます。
目的に応じて使い分けることが重要です。
プレスリリース配信サイト(最重要)
PR TIMES
国内最大級のプレスリリース配信サービスで、
特許・技術・研究成果の掲載実績が非常に豊富です。
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企業・大学・研究機関が幅広く利用
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記者・企業・投資家が常時閲覧
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SEO効果も高い
特許プレスリリースの第一選択肢といえる存在です。
日経プレスリリース
日本経済新聞社が運営する配信サービスで、
技術・研究・産業分野の信頼性が高いのが特徴です。
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BtoB技術
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研究開発成果
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産学連携・社会実装
といった内容と相性が良い媒体です。
共同通信PRワイヤー
共同通信の配信網を活用し、
新聞社・テレビ局などの報道機関に届きやすいのが特徴です。
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公的機関
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大学・研究所
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社会性の高い特許技術
に向いています。
@Press(アットプレス)
中小企業・技術系企業の利用が多く、
製造業や装置系、技術特許の発信に適しています。
Dream News
比較的掲載ハードルが低く、
ニッチな技術や新規性の高い特許の発信にも活用されています。
専門・関連メディアへの波及
プレスリリース配信後、内容によっては以下のような場所に二次的に転載・引用されることがあります。
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知財・特許専門メディア
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技術系・研究系ポータルサイト
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業界ニュースサイト
これにより、特許情報が専門家や企業の目に留まりやすくなります。
大学・研究機関のTLO(技術移転)関連サイト
大学特許の場合は、
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技術移転
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共同研究
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企業マッチング
を目的とした TLO(技術移転機関)サイト に掲載されることも多く、
特許プレスリリースは研究成果を社会につなぐ入口として機能します。
見落とされがちだが重要な「自社オウンドメディア」
近年、特に重要性が高まっているのが、
自社サイトや特許特化型オウンドメディアでの発信です。
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プレスリリースは時間が経つと流れてしまう
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解説記事として残すことでSEOに強くなる
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問い合わせ・ライセンス導線を設計できる
特許を「一度出して終わり」にせず、
価値を継続的に伝える拠点として機能します。
「どこに出すか」より「どう伝えるか」
重要なのは、
掲載先の数よりも、特許の価値が正しく伝わっているかです。
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技術用語だけになっていないか
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誰に使ってほしい特許なのかが明確か
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事業・市場とのつながりが示されているか
特許プレスリリースは、
「出すこと」ではなく「届くこと」がゴールです。
まとめ:特許プレスリリースの本当の意味
特許のプレスリリースとは、
特許を「登録情報」から「流通するビジネス資産」へ変えるための情報発信
です。
取得した特許を眠らせるのではなく、
価値として社会に届ける。
その第一歩として、
特許プレスリリースは今後ますます重要になっていくでしょう。


