特許は資金調達に効くのか?
VC視点とAI評価で見る「評価される特許・されない特許」の違い
スタートアップや新規事業において、
「特許は資金調達に有利になるのか?」という問いは、今も多くの経営者が抱えています。
特許出願にはコストも時間もかかります。
それでも VC(ベンチャーキャピタル)や事業会社は、本当に特許を見ているのか。
そして、どのような特許が評価され、どのような特許が見向きもされないのか。
本記事では、
実務・投資判断・AI特許評価の観点から、
「資金調達に効く特許」の現実を整理します。
特許は「あるだけ」で資金調達に有利になるのか?
結論から言えば、
特許があるだけでは、資金調達は有利になりません。
しかし一方で、
“ある特定の条件”を満たした特許は、明確に評価されます。
この差がどこにあるのかが、実はあまり語られていません。
VCは特許の「ここ」を見ている
VCがピッチ資料やデューデリジェンスで特許を見る際、
注目しているポイントは、主に次のような点です。
① 事業と特許が直結しているか
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その特許がなければ事業は成立しないか
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競合が同じことをしようとしたときに回避できるか
事業と無関係な“飾り特許”は、ほぼ評価されません。
② クレームは「広すぎず・狭すぎず」か
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広すぎる → 無効リスクが高い
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狭すぎる → 競合が簡単に回避できる
VCは法律の専門家ではありませんが、
「これは守れそうか?」という直感的判断を非常に重視します。
③ 実施可能性・再現性があるか
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実装できる内容か
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技術者が読んで理解できるか
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“将来できるかも”ではないか
未実装・未検証のアイデア特許は、調達では弱いのが現実です。
④ 競合との位置関係が説明できるか
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なぜ自社が有利なのか
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なぜこの特許が差別化になるのか
特許そのものよりも、
**「説明できるかどうか」**が評価を左右します。
資金調達で「評価されなかった特許」の典型例
実務でよく見られるのは、次のようなケースです。
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技術的には高度だが、事業にどう使うか説明できない
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将来用として出願したが、今の売上と無関係
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特許はあるが、競合が簡単に別ルートで実現できる
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クレームが専門家でないと理解できない
これらは
**「良い発明」でも「投資対象としては弱い特許」**になりがちです。
一方、資金調達で「効いた特許」の共通点
評価された特許には、共通点があります。
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事業モデルの“核心”を押さえている
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ピッチ資料で1枚で説明できる
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「なぜ真似されにくいか」を言語化できる
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登録前でも、戦略と設計が明確
重要なのは、
**「特許の有無」ではなく「特許の設計思想」**です。
なぜ今、AIによる特許評価が資金調達で注目されるのか
近年、AIによる特許スコアリングが注目されています。
その理由は明確です。
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客観的な評価軸を示せる
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属人的な判断から脱却できる
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投資家に説明しやすい
特許は本来、
「分かる人にしか分からない資産」でした。
AI評価を用いることで、
“説明可能な資産”として提示できる点が、
資金調達との相性を高めています。
特許は「守るため」ではなく「資金を呼ぶため」にも使える
ここで重要な視点があります。
特許は、守るためだけのものではない。
資金と事業をつなぐ“説明装置”でもある。
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なぜこの市場に勝てるのか
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なぜこの技術に投資する意味があるのか
その根拠を示す材料として、
特許は非常に強力です。
出願のタイミングは「調達前」が正解とは限らない
よくある質問に、こうしたものがあります。
「資金調達前に特許は出すべきか?」
答えはシンプルではありません。
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アイデア段階で出して失敗するケース
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MVP完成後に出して間に合ったケース
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出願せず、調達後に戦略的に出したケース
重要なのは
**“いつ出すか”より、“何のために出すか”**です。
まとめ:資金調達に効く特許とは何か
最後に整理します。
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特許は「あるだけ」では評価されない
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事業との結びつきが最重要
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説明できる特許が、投資家に刺さる
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AI評価は、特許を“伝わる資産”に変える
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特許は、資金調達戦略の一部として設計すべき
これからの時代、特許は
**「評価され、流通し、活用される資産」**へと変わりつつあります。
パテントリリースでは、
そうした **“使われる特許・評価される特許”**の視点から、
今後も情報発信を続けていきます。


